瓦礫除染の実証試験 - 電力
環境省による平成24年度(平成23年度からの繰越分)除染技術実証事業として、ウェットブラストによる瓦礫の除染の実証試験を行いました。
概要
バレル処理式のウェットブラストは自動車の金属部品の脱脂・洗浄装置として30年の実績があります。 このウェットブラストによる汚染瓦礫の自動除染システムの実用性を実証しました。
バレル処理式と比較する為、手動式ウェットブラスト装置を使った瓦礫の除染試験も行いました。
瓦礫除染のプロセス
回転バレル式ウェットブラスト除染システムの説明
試験に使用した5L回転バレル付ウェットブラスト装置
バレルの中に除染対象物を入れ、回転して攪拌します。 ブラストガンより、スラリー(水+研磨材)を圧縮空気の膨張力を利用して投射し、対象物表面の放射性物質を削り取ります。 スラリーはタンクに戻って再びブラストガンから投射されます。
バレル攪拌の様子
バレルを回転させることにより、中で除染対象物が効率よく攪拌され、全面が処理されます。
手動式ウェットブラストの説明
試験に使用した手動ウェットブラスト装置
処理を行っている様子
手でブラストガンを持って除染対象物を処理します。
キャビネットの中に除染対象物を入れ、ブラストガンを手で持ちながら動かしてスラリーを対象物全体に投射します。 回転バレル式同様にスラリーはタンクに戻って再びブラストガンから投射されます。
結果
除染対象物 | 砂利 | コンクリート | セメント瓦 | ||
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処理方式 | 回転バレル | 回転バレル | 手動 | 回転バレル | 手動 |
除染前 ↓ 除染後 | ![]() ![]() ![]() | ![]() ![]() ![]() | ![]() ![]() ![]() | ![]() ![]() ![]() | ![]() ![]() ![]() |
除染率※1 | 50~60% {表面線量率(1cm)} | 約90% {表面密度(計数率)} | 80~90% {表面密度(計数率)} | 約85% {表面線量率(1cm)} | 約85% {表面密度(計数率)} |
減量率※2 | 約5% | 約5% | 約1% | 約15% | 約5% |
処理時間※3 | 約11時間/t | 約6時間/t | 約6時間/t(参考値) | 約18時間/t | 約9時間/t |
大形化・自動化した場合の処理時間とコスト ※4,※5,※6 |
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※1 除染率=(除染前-除染後)/除染前 { }内に比較方法を示した
※2 減量率=(除染前質量-除染後質量)/除染前質量
※3 試験時の除染前質量とブラスト時間から算出。手動式ウェットブラストでコンクリートを除染する場合は、対象物の形で質量に対するブラスト時間の比率が大きく変化する為、参考値とした。
※4 処理時間・コストは【40Lタンブルバレル式ウェットブラスト装置】の場合。
※5 処理時間はブラスト時間の他に、粗水洗時間(20s/バッチ)、瓦礫投入・排出時間(60s/バッチ)を含む。
※6 コストには動力費・消耗品費を含むが、設備償却費・人件費・瓦礫運搬費・瓦礫破砕費・排水処理費は含まない。
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マコー株式会社 開発部 村山 一成
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本ページは独立行政法人日本原子力研究開発機構 「平成23年度除染技術実証事業(環境省受託事業)報告書」から抜粋したものです。