vol.7 緻密で良質なアルマイト被膜を生成する下地処理

更新日:2018年10月10日
著者:株式会社 原賀接着技術コンサルタント 原賀康介

ウェットブラストによる「表面の反応性向上」。

表面に良質なアルマイト被膜を施す際には、反応性に富んだ表面を生成することが重要になりますが、 この表面の反応性を容易に高められる下地処理「ウェットブラスト」をご紹介します。 今回は10mm角のアルミ合金A5052Pを試料として使用し、表面にアルミナ#2000にてウェットブラスト処理を施したものと、 アルコール洗浄のみを行ったものを比較しました。グラフの横軸は深さ方向、縦軸はアルミと酸素の原子比率です。 試料はアルミ合金ですが、アルミと酸素のみで100%となるよう構成しています。

均一で微細な粗化が、深い酸化膜を生成します。

この表面をXPSにより分析すると、アルコール洗浄のみを行った試料は表層から0.4μmほどの深さで 酸素濃度がほぼゼロになっているのに対して、ウェットブラストを施した資料は深さ0.4μmでも20%、 1μmでも数%の酸素濃度を残しており、未処理品に比べても酸化層が深いことを表しています。 このデータは、ウェットブラスト直後のアルミ表面が非常に反応性に富んでいることを示しており、 アルミの粉塵が急激に酸化して粉塵爆発を起こしやすいように、ウェットブラストにより微細な粗さを形成した凸部が酸素を取り込んで、 通常よりも厚い酸化膜を生成したと言えます。

強い酸化被膜による高い耐食性も。

このような性質を持つことから、ウェットブラスト直後にアルマイトを施す場合には、 緻密で良質な被膜の生成が期待でき、他方そのまま乾燥させれば強力な酸化被膜により 通常のアルミよりも高い耐食性を持つことが期待できます。

表1.接着剤の成分による分類

関連記事

「接着ゼミ」に関するお問い合わせ

マコー株式会社 営業部
TEL:0258-47-1729 FAX:0258-21-4124

お問い合わせフォーム
内容に関するお問い合わせは、上記までご連絡ください。