ウェットブラストの原理

ウェットブラストとは

ウェットブラストは加工技術の名前です。
液体ホーニングとも呼ばれるこの技術は、粒子( 固体の粒であればOK・・・、石、ガラス、プラスチック・・・etc)と液体(多くは水を使用、薬品を混ぜることもあり)を混ぜ、全体を均一に攪拌して泥水のような状態にします。これをスラリーといいます。このスラリーを専用の噴射ノズルから圧縮エアの力を使って高速に噴射します。このときのスピードはおよそ288km/Hr ~ 720km/Hr(80m/sec ~ 200m/sec) で新幹線並みの速さになります。この高速に噴射されたスラリー(粒子と液体)が相手に当たると、スラリー内の粒子が物体を削ったり、叩いたり、こすったりします。また、液体が削った粉や取り除かれた汚れ、粒子そのものを洗い流します。このような原理を使った加工技術をウェットブラストといいます。おもしろいことに噴射されたスラリーは目で見えませんが、粒子、液体共に小さなツブツブとなって飛んでおり、相手に当たったときに大きな力が加わりません。したがって弱い品物にも形を崩さず噴射することができます。したがって、物体の表面のみの加工などに使われる技術です。

ウェットブラストの特長

ウェットブラストは、大きく五つの特長があります。

1. 粒子の大きさ、形、材質などの選択範囲が広い
水が粒子を対象物まで運ぶので、乾式ブラストに比べて微細な粒子を使用できます。
2. 流体制御のため、コントロール性が高い
水と粒子が混ざったスラリーは、流体制御が可能で精度の高い処理ができます。
3. 粒子の残渣が少ない
加工後の粒子を水が洗い流すために残渣を少なく抑えられます。
4. 薄物材料の処理が可能
加工の圧力が低いので、薄物材料を破かずに処理ができます。
5. 薬品の混入による二次的な処理が可能
水に薬品を溶かし込むことができるため、ブラストと同時に薬品による処理が行えます。

ウェットブラストの仕組み

ウェットブラストの基本的な仕組みは、ブラストタンクに溜ったスラリーをポンプで吸い上げ、 圧縮エアで加速してブラストガンから投射するというものです。 スラリーはブラストタンクに戻り、循環して使用されます。
ウェットブラスト回路図

ウェットブラストの用途

本質的に使われている目的は大きく2つに分かれています。

①従来の加工でできなかった分野への提供

 例1)微小粒子を使って、精密な表面の加工や創生をしたい。
 例2)硬質材料( セラミックス) の表面加工、バリ取りを精密に行ないたい。
 例3)薄膜での物作りにおいて、層間密着を向上するためにナノレベルで物理的に表面を削りたい。

②従来プロセスの集約化、自動化を行ってローコストプロセスを構築する分野への提供

(ウェットブラストは流体制御というコントロール性が良い特長を持っており、自動化が行いやすい)
 例1)材料の表面研磨とケミカルラインの一体化(防振ゴム用装置など)
 例2)研磨、バリ取りの個別処理の自動化。(ピーニング処理、ICバリ取りなど多数)

さらに詳しく

技術的な情報は「ウェットブラスト入門」を、具体的な事例は「処理事例」をご参照ください。

ウェットブラスト入門処理事例