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ウェットブラストとは?

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ウェットブラストとは?

研磨材を“水”と混ぜて使用する、湿式ブラストです

ウェットブラスト(湿式ブラスト/液体ホーニング※)は、研磨材と液体(主に水)を混ぜ、泥水のような「スラリー」を作り、専用の噴射ノズルから圧縮エアによって噴射して、対象を加工する工法です。

研磨材が常に水と混ざっているため、乾式では扱えない、数μm程度の微細な研磨材を飛散させずに使用でき、極めて緻密な加工や、繊細な対象への処理が可能です。

※ウェットブラストは、研磨材のみを用いる乾式ブラスト(サンドブラスト)に対し、湿式ブラストや、液体ホーニングとも呼ばれます。

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ウェットブラスト基礎資料

ウェットブラスト技術の原理、特長、システム、主な用途などをまとめた資料です。

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ウェットブラストの用途

本質的な用途は、大きくは以下の2つです。

従来工法で加工できない分野への応用

例えば、微小研磨材を使った緻密な表面状態の形成、硬質材料(セラミックス)の精密なバリ取り、密着性向上を目的するナノレベルでの粗化などがこれにあたります。

従来プロセスの集約、自動化

例えば、対象の表面研磨とケミカルラインの一体化や、研磨とバリ取り、個別の2つの処理の集約と自動化(ピーニング処理、ICバリ取りなど)などがこれにあたります。

ウェットブラストの導入事例

以下は、様々な製造工程への代表的な導入事例です。

防振ゴム等の接着前処理

自動車部品製造工程
防振ゴム等の接着前処理

環境負荷の高い有機溶剤に替わる、自動車防振ゴム金具向けの接着前処理工法です。優れたリン酸化成皮膜を生成し、金具とゴムとの密着性を飛躍的に向上させます。

冷間鍛造潤滑工程システム

冷鍛潤滑工程
冷間鍛造潤滑工程システム

黒皮除去と、一液潤滑剤の塗布を組み合わせた、冷間鍛造の潤滑工程向け処理設備です。従来のボンデ処理に比べ、設置スペースを1/10とし、水の使用も1/30に抑えます。

高精度な刃先加工

超硬工具製造工程
高精度な刃先加工

切削加工用のスローアウェイチップの刃先を、微細に丸め、製品寿命を延ばすR付けを行う処理の他、表面の変質層除去による、コーティング膜の密着性向上前処理に用いられます。

棒鋼の酸化スケール除去

棒鋼材製造工程
棒鋼の酸化スケール除去

熱処理後の鋼材についた硬い酸化スケールを、鋼材表面を荒らさずに除去する処理です。特殊なステンレス粒子を使用し、高速でスケールを除去、滑らかな表面を形成します。

LTCC・PCBの表面処理など

電子基板製造工程
LTCC・PCBの表面処理など

超微細な研磨材が使えるウェットブラストならではの、電子部品表面の異物除去、粗化、洗浄。緻密で均一な処理は、めっきやコーティングの密着性向上に極めて有効です。

ウェットブラストの特長

以下は、代表的なウェットブラストの特長です。

多様な研磨材が使用可能

さまざまな材質・形状・大きさの研磨材を使えますが、中でも、乾式ブラストでは投射が困難な微粒子(平均粒子径3μm)を扱えることは大きな特長です。これにより、対象へのダメージを極力抑えた、微細で緻密なブラスト処理が可能となります。

高いコントロール性、再現性

研磨材を粉体で扱う乾式ブラストに対して、ウェットブラストでは、スラリーと呼ばれる流体の状態で運用します。これが、ウェットブラストの高いコントロール性の理由です。表面粗さ、加工量を定量的に変化させることが容易で、かつ、再現性にも優れています。

粉塵・残渣が少ない

乾式ブラストで問題となる粉塵は、研磨材を流体運用するウェットブラストではほぼ発生しません。また、加工と同時に水が瞬時に研磨材を洗い流すため、加工対象物への研磨材残り(残渣)は極めて僅かです。加えて、研磨材を滞留させる静電気も、ウェットブラストでは発生しません。

薄物を処理できる

ウェットブラストの特性が最大限に発揮される処理対象の一つが「薄物」です。物質によって異なりますが、数十µmの薄さの対象を処理可能です。極めて小さな研磨材が使えること、当社独自ノズルによって圧力を大幅に軽減できることなどがその理由です。

添加剤による効果の追加が可能

研磨材、圧縮エア、水のみで処理が行えるウェットブラストですが、そこに添加剤をプラスすることで、各薬品による効果を追加できます。例えば、防錆剤によって対象の酸化を遅らせたり、脱脂剤によって洗浄効果をさらに高めることが可能です。

ウェットブラストとSDGs

環境負荷の高い従来工法の、代替ニーズが増えています

ブラスト処理全般と同様に、ウェットブラストは物理加工です。基本的にはその工程に、作業環境や自然環境へ大きな負荷を与える化学薬品を使用しません。また、そうした廃棄物を排出しません。

このため、近年注目が集まる「環境保全」や「持続可能な発展」といった目的、あるいは規制から、負荷の高い従来工法を、ウェットブラストへ代替するケースが増えています。

具体的な例としては、脱脂洗浄におけるフロンやトリクレン等の「有機溶剤」の代替、冷間鍛造の潤滑工程における「ボンデ処理」の代替、棒鋼の酸化スケール除去における「酸洗」の代替などが挙げられます。3者とも、作業環境・自然環境において負荷の高い化学処理工程を、「品質を落とすことなく」代替しています。

ウェットブラストとSDGs

ウェットブラストの基本要素

ウェットブラストは、研磨材・水・圧縮エアの3つの要素で構成されます。

研磨材(メディア・投射材)

ウェットブラストの基本要素

主に、液体に溶解しないアルミナ、セラミック、ガラス、樹脂、ステンレスを用いますが、水に溶ける重曹も扱えます。詳細は、以下のページをご覧ください。

ウェットブラストの基本要素

水は、ウェットブラストの最大の特長です。研磨材を分散させ、被加工物まで送り、洗い流し、汚れの再付着を防止し、被加工物を冷却・除電します。主に、市水(水道水)や工業用水を、被加工物の品質に合わせて用います。

圧縮エア

ウェットブラストの基本要素

研磨材と水が混ざった“スラリー”を加速させ、対象へあてるために圧縮エアを用います。基本的には0.1から0.4MPaのレンジ設定が可能です。加速されたスラリーは60~100m/sの超高速で被加工物に衝突し、加工を行います。

ウェットブラストの効果

ウェットブラストの効果は、大きく以下の5つに分けられます。

ウェットブラストの効果 洗う

洗う

数µmの微細な研磨材を使用することにより、材質を選ばず、対象の表面を傷めない異物除去、洗浄が行えます。

ウェットブラストの効果 取る

取る

対象表面の汚れや酸化皮膜の除去が行えます。脱脂、表面活性化効果があるため、接着や塗装前処理として利用されます。

ウェットブラストの効果 荒らす

荒らす

微細な研磨材によって、緻密で均一な凹凸を形成します。物理処理のため、付着物や対象物の材質を選びません。

ウェットブラストの効果 叩く

叩く

当社オリジナルノズルにより、広範囲を均一に処理可能です。また同時に、当工法ならではの独自の質感が得られます。

ウェットブラストの効果 削る

削る

湿式ならではの流体運用による高いコントロール性で、微細加工からハードな処理まで、様々な処理が行えます。

ウェットブラストのシステム

スラリーを循環利用し、廃棄・排水を抑えます

スラリー(研磨材+水)は、ブラストタンクから、ブラストポンプによってブラストガンへ送られ、外部供給される圧縮エアによって処理対象物へ投射されます。そして、投射されたスラリーは再びブラストタンクに戻り、装置内を循環して利用されます。

この循環構造によって、廃棄物、排水量は低く抑えられます。さらに当社装置は、摩耗によって故障しやすい各コアパーツを高耐久化しており、長時間の連続安定生産を可能にしています。

ウェットブラストのシステム

マコーのウェットブラスト装置例

以下は、様々な用途に向けてリリースされた、当社の代表的な装置です。

大容量バレル式装置

BL-740-TH
大容量バレル式装置

脱脂、表面粗化、洗浄、化成処理を連続自動で行う、ドラム型バレル装置です。主に自動車用防振ゴム金具製造に使われています。

冷間鍛造ライン用装置

VD-T008
冷間鍛造ライン用装置

ビレット材の洗浄、デスケール、潤滑剤塗布を行う冷間鍛造工程用装置です。 スラスト搬送、スプレー塗布方式を採用しています。

超硬チップ用装置

RBI-203
超硬チップ用装置

超硬チップの洗浄、R付けを行う自動加工セル装置です。精密な刃先を再現するため、一個取り仕様であることが最大の特長です。

薄板状ワーク用装置

mini PFE
薄板状ワーク用装置

短冊状ワークの両面処理が可能な自動装置です。主にプリント基板、LTCC基板、半導体などの電子部品処理用途で導入されています。

手動装置

ココット
手動装置

主にレストア用途の手動装置です。使用可能研磨材に制限はありますが、当社の技術をコンパクトにまとめたエントリーモデルです。

ウェットブラストの注意点

以下は、ウェットブラストに関する注意点です。

コンプレッサーが必要

ウェットブラストでは、スラリーを加速するために圧縮エアを用いますが、そのために、空気を圧縮する装置、コンプレッサーが別途必須となります。

排気が必要

装置の処理室内の圧縮エアは、次第に膨張し、加圧状態になります。そのため、排風機を使い、積極的に装置外に排気する必要があります。

水洗が必要

処理後、対象の表面は液体で覆われますが、液体中には研磨材や有機物、酸化物が残存しています。よって、必ず水洗を行う必要があります。

スラッジが発生する

研磨材は、被加工物の表面に衝突する結果、徐々に自ら破砕していきます。この破砕した研磨材や削られたワークの粉(スラッジ)を回収し、研磨材を追加補給しなければなりません。

バッファに注意

バッファとは、一言でいえば水溜まりです。被加工物が袋小路のような形状だと、液体が一時的に池の様に溜まってしまいます。そこに向かって投射を行うと、エネルギーが減衰され、本来の処理効果が出せません。

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