ガラスやセラミックといった脆性材料は、高い機能性を持つ一方で、加工によって目に見えない損傷を内部に抱えやすいという特性があります。特に、切断や研削工程で生じるサブサーフェスダメージ(SSD)は、強度低下や破壊の起点となり、製品の信頼性に大きな影響を与えます。
こうした変質層を確実に除去することは不可欠ですが、その一方で「除去工程そのものが新たな損傷を生む」というジレンマも存在します。
本コラムでは、この課題に対する有効なアプローチとして、マイクロクラックの発生を抑制しながら変質層を除去できるウェットブラスト工法に着目し、その原理と特長について解説します。
まずは情報収集・検討段階でもお気軽にご相談ください
ガラスやセラミックなどの脆性材料は、切断・研削・熱処理工程により、表面および端面に以下のような変質層が形成されることが知られています。
光学材料分野では、研削加工により発生するSSDが強度低下や破壊起点になり、微小亀裂が残存すると抗折強度が低下することも広く知られています。 [1]
脆性材料から成る部品・製品の製造工程において、いかに新たな損傷を与えずに変質層を除去するかが重要な課題となります。
SSD:サブサーフェスダメージ(Subsurface Damage)とは
主に研削や加工プロセス中に材料の表面下に発生する微細なクラックや欠陥の事を指します。これらの損傷は、数μm~数十μmに及ぶ場合があり、光学部品や半導体デバイスにとって性能や信頼性に重大な影響を与えることがあるため注意が必要です。
変質層やSSDの除去方法は、材質や要求品質によって最適解が異なります。
自社ワークに適した処理方法についてご提案可能です。
ガラス分野ではHFによる化学エッチングがSSD除去に使用されています。 [2]
しかし、以下のような課題があります。
異物や損傷層を除去できる一方で、以下の事象が問題になります。
他工法では新たな損傷や品質ばらつきといった課題が残ります。
これらの課題を解決する方法については、以下をご覧ください。
脆性材料の損傷発生は、衝撃エネルギーと応力集中が支配的です。 [3]
ウェットブラストは微細メディアを容易に扱える特長を生かし、以下を実現可能です。
サンプルテストによる適用可否の確認も可能です。
このほかにも、セラミック基板や精密部品など様々なワークで適用実績があります。
脆性材の変質層除去は、以下の観点から不可欠です。
ウェットブラストは新たな損傷を抑制しつつ変質層を除去するだけでなく、クリーン、安全、均一加工、高速という特長を持ちます。それらを活かしたロボット式装置や加工セル化によって、量産ラインの革新を提案いたします。
ウェットブラストが適用可能か、まずはお気軽にご相談ください。
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グローバルマーケティング部 佐田 俊彦
[1] Suratwala, T.I. et al., Optical Engineering, 2019.
https://doi.org/10.1117/1.OE.58.9.092604
[2] Li, Y. et al., Optics Express, 2010.
https://doi.org/10.1364/OE.18.017180
[3] Huo, Y. et al., Surface & Coatings Technology, 2024.
https://doi.org/10.1016/j.surfin.2024.105088