製造業における表面改質は、密着性向上、洗浄、濡れ性改善、微細加工(テクスチャ形成・研削)など、製品性能を左右する重要な工程です。本コラムでは、主要な表面改質工法に対するウェットブラストの優位性について紹介します。
今回比較するのは以下の5工法です。
各種表面改質工法は一見すると同じ目的(洗浄・粗化・活性化)を担っているように見えますが、
といった観点で、それぞれ次のような特徴を有します。
特に近年は、表面改質工程の量産ラインへの組込みや、自動化・省人化対応が求められるため、「サイクルタイムに合うか」「安定して品質を再現できるか」「環境負荷が小さいか」が重要な評価軸となっています。
この比較表を基に、ウェットブラストが特に優位と考えられる3つのポイントについて解説します。
ウェットブラストは、固体粒子である投射材を水と混合したスラリーとして供給量をコントロールできるので、単位時間あたりに安定した量を、さらに乾式に比べ多くの投射材をブラスト投射することが可能となります。また、この特長を最大限に活かす要素技術がマコーオリジナルの幅広ガンです。最大有効幅600mmのスリットからの投射によって、広い面積に対して、短時間で均一な表面粗さや研削量を得ることができます。また、自動化可能な投射材管理システムと組み合わせることで高い再現性を維持できるため、品質の安定に貢献します。
①でも述べた通り、ウェットブラストは投射材を流体として扱うため、乾式ブラストと比較して微細な投射材でブラスト表面を作ることができます。直径数μmの投射材によるブラスト表面はサブミクロンオーダーの加工制御が可能であり、これが他工法にはない強みの一つです。投射材1個あたりの加工力も小さいため、厚み数μmのフィルムや金属箔にもブラスト表面を作ることが可能です。
ウェットブラスト処理による表面改質効果は、
によって得られるため、効果の経時変化は比較的小さい特長があります。
これは、「工程設計の自由度が高い」という大きなメリットに繋がります。
なお、被加工材が金属の場合は、酸化膜等の除去による表面の活性化効果も得られます。活性化効果については経時変化が避けられないものの、工程設計次第では、表面改質効果を最大化することが可能です。
自動化・省人化に向けた表面改質工法の比較検討において、
を重視する場合、ウェットブラスト工法はバランスの取れた選択肢となり得ると言えます。
第3回に続く...
以上
また、ウェットブラストの原理やシステムについての資料は、以下のリンクよりダウンロード願います。
グローバルマーケティング部 佐田 俊彦