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コラム

熱間鍛造スケール除去処理を、次のステージへ-仕上がり表面粗さと生産性で差が付く、投射材「SUSTEAR®-S」

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熱間鍛造スケール除去処理を、次のステージへ-仕上がり表面粗さと生産性で差が付く、投射材「SUSTEAR®-S」

熱間鍛造における酸化スケール(以下、スケール)の除去工程は、単に「スケールを落とす工程」ではありません。
その後の加工品質やコスト、生産効率にも大きく影響する、製造工程全体を左右する重要工程です。

しかし従来のスケール除去では、

  • ワーク表面が過剰に粗化される
  • 後工程の仕上げ負荷が増加する
  • 粗化を抑えようとすると処理時間が増加する

といった課題がありました。
こうした課題に対する新たなアプローチとして登場したのが、ウェットブラスト × 「SUSTEAR®-S」です。 

SUSTEAR®-Sは、従来の「強く当てて落とす」という考え方とは異なり、微細かつ高硬度なメディアを活用することで、スケール除去性能と表面品質、生産性の両立を目指した新しいソリューションです。

本コラムでは、従来工法やウェットブラストとの違いを交えながら、SUSTEAR®-Sが実現するスケール除去の新しいアプローチと、その導入によって得られる効果についてご紹介します。

 


表面粗さの抑制と生産性向上を両立する、新しいアプローチをご紹介します。




1.なぜ、「表面粗さ」が重要なのか

スケール除去後の表面状態は、そのまま後工程に影響します。
一般的には、厚く硬いスケールを除去するために、0.31mm程度のスチールショットが使用されます。

大粒径ショットは高い除去力を持つ一方で、ワーク表面を過剰に粗化させる場合があります。
その結果、仕上げ加工後もショット肌が残ったり、加工代を大きく確保する必要が生じたりするため、後工程コスト増加の要因となります。

つまり、スケール除去工程では「除去性能」だけでなく、「除去後の表面状態」も重要な評価項目となるのです。

スケール除去において表面粗さが重要であることは分かりました。
では、ウェットブラストはどのような考え方で「スケール除去」と「低粗さ化」を両立しているのでしょうか。

 




2.ウェットブラストのアプローチ

100300µmの多角形メディアでスケールを削り落とす」

ウェットブラストでは、従来ショットよりも小粒径かつ多角形のメディアを用いることで、スケールを削り落とすアプローチを採用しています。
これにより、「過剰な粗化」を抑制しながらスケール除去を行うことが可能です。

ワーク表面粗さを大幅に抑制できるため、そのまま探傷検査が可能である点についても高い評価をいただいています。
また、ウェットブラストはスケール除去だけでなく、バリ取り・精密洗浄・表面改質など、さまざまな用途で活用されており、「必要な箇所だけを狙って処理する」という特長を活かして、多様な製造現場の課題解決に貢献しています。

 

ウェットブラストは、どのような課題に活用されているのでしょうか。実際の処理事例もぜひご覧ください。



3.SUSTEAR®-Sのアプローチ

「硬度が高く、粒径の小さいメディアを多量に衝突させ、効率良くスケールを落とす」

SUSTEAR®-Sは、従来メディアよりも微細かつ高硬度なメディアとして新たに開発されました。
これにより、厚い酸化スケールの除去性を向上させながら、ワーク表面粗さをさらに低く抑制することを実現しています。

その結果、従来ウェットブラストの特長を活かしつつ、生産性を大きく向上させることが可能となりました。
その代表的な特長として、以下の2点が挙げられます。


特長1) 表面粗さを約65%低減

従来のウェットブラストによるスケール除去と比較し、表面粗さ(Ra)が約65%低減(実績値)
これらの効果は、後工程負荷の低減に直結します。

具体的には、

  • 仕上げ加工の削り代低減
  • 工具寿命の延長
  • 加工時間短縮
  • コストおよび環境負荷低減

といった効果が期待できます。


特長2) 装置を守る「低摩耗プロセス」

従来のウェットブラストスケール除去に対して、SUSの削れ量 約40%低減が確認されています。
SUSTEAR®-Sは微細な粒子であるため、治具などの装置内の部品摩耗を抑制、結果的に装置負荷を低減する、といった特長も持ちます。


これにより、

  • メンテナンス頻度低減
  • 部品交換コスト削減
  • 装置停止リスク低減

といった効果が期待できます。


 SUSTEAR®-Sは、現在開発中のため、適用可能なワークや評価内容について個別にご案内しております。




4.導入価値は「後工程の最適化」

SUSTEAR®-Sの本質的な価値は、スケール除去工程単体の改善ではなく、後工程を含めた全体最適化にあります。

  • 生産性 スケール除去工程、後工程負荷低減によるトータルタクト改善
  • コスト 工具寿命延長・加工時間短縮によるコスト削減
  • 品質 表面粗さの安定化による品質向上・検査性向上

 

生産性・品質・コストの観点から見ても、スケール除去工程の見直しは大きな改善余地を持っています。
SUSTEAR®-Sが目指す新しいスケール除去の考え方を、最後にまとめます。




5.まとめ

従来のスケール除去では、「強く当てて落とす」という考え方が主流であり、その結果として過剰な粗化が発生する側面がありました。
一方、SUSTEAR®-Sは、「必要なものだけを効率よく除去し、表面を整える」という発想です。

スケール除去工程を見直すことで、後工程負荷を低減し、製造工程全体を最適化する。
SUSTEAR®-Sは、そのための新しい選択肢です。

私たちマコーは、単にスケールを除去する装置やメディアを提供するのではなく、お客様の製造工程全体を見据えた課題解決を目指しています。
「除去性能」だけでなく、「後工程の負荷」「品質の安定化」「生産性向上」「コスト削減」まで含めて最適化することが、これからの表面処理に求められる価値だと考えています。

SUSTEAR®-Sは、その考え方を具現化した新たなソリューションです。
今後もマコーは、ウェットブラスト技術を通じて、お客様のものづくりにおけるさらなる生産性向上と品質向上に貢献してまいります。


表面粗さの抑制や後工程負荷の低減など、スケール除去に関する課題をお持ちでしたらお気軽にご相談ください。
ワークや工程に合わせた最適な処理方法をご提案いたします。


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✎ 著者情報


  グローバルマーケティング部 佐田 俊彦 


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