電子デバイス製造で増える表面処理の課題とは? - セラミックス基板・半導体リードフレームの改善ポイントを解説 -
電子デバイスの高性能化・小型化が進む中で、表面処理に求められる役割も大きく変化しています。
従来は「洗浄する」「バリを取る」といった役割が中心でしたが、現在では製品品質や歩留まりを左右する重要な工程として、より高度な品質管理が求められています。
本コラムでは、電子デバイス分野で代表的な部材である「セラミックス基板」と「半導体リードフレーム」を例に、製造工程で直面する表面処理の課題と、その改善の考え方についてご紹介します。
1.はじめに
AIやEV(電気自動車)の普及に伴い、SiC(炭化ケイ素)やGaN(窒化ガリウム)を用いたパワー半導体の需要が拡大しています。
それに伴い、電子デバイスにはこれまで以上に高品質・高信頼性が求められるようになりました。
- バリや異物を十分に除去できない
- 表面に不要なダメージを与えてしまう
- 薬品処理をできるだけ削減したい
- 生産性を向上させたい
といった表面処理工程の課題が顕在化しています。
本コラムでは、特にセラミックス基板と半導体リードフレームに焦点を当て、それぞれの製造工程で発生する表面処理の課題と、その改善に向けた考え方についてご紹介します。
電子デバイスの表面処理においては、どのような課題が発生しているのでしょうか。代表的な二つの課題を確認してみましょう。
2.特に多い二つの課題
電子デバイス製造の表面処理において、特に多く聞かれるのが、「バリや微細な不純物を除去したい」という課題と、「製品にダメージを与えずに処理したい」という課題です。例えば、半導体リードフレームの製造工程では、樹脂封止後に発生する樹脂バリの除去が必要になります。
しかし、微細なバリを確実に除去しながら、リードやモールド界面へのダメージを抑えることが求められています。
また、セラミックス基板では、製造工程で使用される「しき粉」の除去が課題となります。特に、抗折強度を低下させない必要があり、従来の処理工法が簡単に適用できないケースがあります。

つまり、現在の電子デバイス製造における表面処理では、単に「落とす」「削る」「洗浄する」だけではなく、製品面を保護しながら、バリやしき粉を確実に除去する技術が求められています。
重要なのは、「何を除去したいのか」「どこを保護する必要があるのか」「どの程度の表面改質が必要なのか」を整理し、製品形状や材質、処理目的に合わせて最適な工法と処理条件を設計することです。
ウェットブラストは、噴射圧力、投射材の種類や粒径、スラリー濃度、処理時間などの条件を調整することで、バリ取り、洗浄、しき粉除去、残渣除去、表面改質など、さまざまな目的に対応できます。
また、非接触の噴射加工であるため、電極保護やダメージレス処理が求められる電子デバイス分野でも多数活用されています。
「ウェットブラストとはどのような表面処理なのか?」という方は、 原理や特徴、他工法との違いを解説した基礎コラムもあわせてご覧ください。
「現在の洗浄方法では不純物が取り切れない」「電極を傷つけずに処理したい」「薬品レスの工程を検討したい」「手作業のバリ取りを自動化したい」といった課題は、単一の処理条件ですべて解決できるものではありません。
実際のワークを用いて、除去性能とダメージのバランスを確認しながら最適な表面処理条件を見つけることが重要です。
3.まとめ
電子デバイス分野の表面処理では、「確実に除去すること」と「製品へのダメージを抑えること」を両立することが重要です。部材や目的によって求められる処理は異なるため、最適な工法・処理条件を選定することが品質向上につながります。
ウェットブラストは、バリ取りやしき粉除去、洗浄、表面改質など、さまざまな用途に対応できる表面処理技術です。適切な条件設計により、電子デバイス分野の品質向上や工程改善に貢献いたします。
マコーでは、実際のワークを用いたサンプルテストも実施しています。電子デバイスの表面処理でお困りの際は、お気軽にご相談ください。
電子デバイスの表面処理では、部材や加工目的によって最適な処理条件が異なります。
マコーでは、お客様のワークを用いたサンプルテストを通じて、最適な表面処理方法をご提案しています。
関連コラム
✎ 出展・参考文献
本コラムは、以下の学術論文および学術誌の内容を参考に、製造現場向けに再構成した解説記事です。【参考文献】
[1] Ceramic Materials Science and Engineering
https://link.springer.com/book/10.1007/978-1-4614-3523-5





