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セラミックス基板とは? AI・EV時代に重要性を増す半導体を支える役割と表面処理の重要性

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セラミックス基板とは? AI・EV時代に重要性を増す半導体を支える役割と表面処理の重要性

生成AI(人工知能)の普及によるデータセンター需要の拡大や、電気自動車(EV)の普及を背景に、電力を効率よく制御するパワー半導体への需要が急速に高まっています。

近年では、従来のシリコン(Si)に代わり、SiC(炭化ケイ素)やGaN(窒化ガリウム)などの次世代半導体材料の採用が進み、高電圧・大電流に対応した電子デバイスの開発が活発になっています。

こうした高性能なパワー半導体の性能を安定して発揮するために欠かせない部材の一つがセラミックス基板です。

本記事では、セラミックス基板の役割や製造工程における表面処理の課題、そして求められる表面処理技術について紹介します。


  

1.セラミックス基板とは

セラミックス基板は、電子部品や半導体チップを搭載し、電気的・機械的に支えるための基板です。
電子回路の土台として部品を固定するだけでなく、電気を絶縁しながら発生した熱を効率よく逃がすという重要な役割を担っています。


一般的な電子機器ではガラスエポキシ基板(FR-4)が広く使用されていますが、パワー半導体では高電圧・大電流を扱うため、より高い放熱性や耐熱性、機械的強度が求められます。
そのため、セラミックス材料を用いた基板が採用されています。

セラミックス基板は、電子部品や半導体チップを搭載し、電子デバイスの性能や信頼性を支える重要な部材です。
特にパワー半導体では、大電流を扱うことで多くの熱が発生します。
そのため、基板には電気を通さない「絶縁性」と、発生した熱を効率よく逃がす「放熱性」という、一見相反する性能が求められます。

こうした要求を満たす材料として、以下のようなセラミックス材料が広く使用されています。

  • Al₂O₃(アルミナ):コストと性能のバランスに優れ、幅広い用途で使用される
  • AlN(窒化アルミニウム):高い熱伝導率を持ち、高発熱デバイス向けに採用される
  • Si₃N₄(窒化ケイ素):優れた機械的強度や耐熱衝撃性を持ち、EVなど高い信頼性が求められる用途で使用される

一方で、セラミックスは非常に硬く耐熱性に優れる反面、局所的な衝撃や応力によって欠けや微細なクラックが生じやすい「脆性材料」という特性があります。
そのため、製造工程では加工性能だけでなく、基板へのダメージを抑えることが重要になります。

こうした特性を生かし、セラミックス基板はEV用インバーターやオンボードチャージャー、AIサーバー用電源、産業機器、鉄道、再生可能エネルギー設備など、高い放熱性や信頼性が求められる電子機器で広く採用されています。


では、セラミックス基板の性能を維持するためには、製造工程でどのような表面処理が求められるのでしょうか。

 


2.セラミックス基板の製造工程で求められる表面処理

セラミックス基板は、焼成やレーザー加工、回路形成など複数の工程を経て製造されます。

焼成後の外形加工や研削加工では、微細なセラミックス粒子(しき粉)が発生し、基板表面に付着することがあります。また、レーザー加工では、照射によって溶融・飛散した材料の一部が基板表面に再付着し、加工残渣として残る場合があります。
これらの付着物を適切に除去しなければ、後工程でのめっきや接合工程に影響を及ぼし、製品品質や信頼性の低下につながる可能性があります。

そのため、製造工程ではブラシ研磨やジェットスクラブ、ウォータージェット、バフ研磨、サンドブラストなど、さまざまな表面処理が行われています。

電子デバイスの高性能化・小型化・薄型化が進む中、表面処理に求められる役割も変化しています。
従来は「付着物を除去できればよい」と考えられていましたが、現在では「品質を維持しながら除去すること」が重要視されています。

例えば、処理の加工力が強すぎる場合には、

  • 基板表面に微細なクラックが発生する
  • 抗折強度が低下する
  • 電極部にダメージを与える

といった問題が発生する可能性があります。

一方で、加工力が不足すると、しき粉や加工残渣が十分に除去できず、後工程で不具合につながることもあります。
つまり、セラミックス基板の表面処理では、「除去力」と「低ダメージ」の両立が重要になります。

さらに量産工程では、品質だけでなく、加工の均一性や処理能力、自動化への対応なども重要なポイントとなります。

表面処理にはさまざまな工法がありますが、それぞれ特徴や適した用途は異なります。
次のセクションでは、「除去力」と「低ダメージ」の両立を実現する表面処理方法の一つであるウェットブラストについてご紹介します。

 


3.ウェットブラストという選択肢

こうした表面処理方法の一つがウェットブラストです。

ウェットブラストは、水と微細な投射材を混合したスラリーを圧縮空気で高速に噴射し、対象物の表面を処理する工法です。
乾式ブラストとは異なり、水を介して投射材を加工面へ届けるため、対象物へのダメージを抑えながら、付着物の除去や表面改質を行えることが特徴です。

もちろん、すべての加工にウェットブラストが最適というわけではありません。
対象物の材質や形状、要求される表面状態、生産数量などによって、適切な表面処理方法は異なります。
そのため、量産設備を検討する前には、実際のワークを使用したテスト加工を行い、除去性能や加工後の状態を確認しながら、最適な処理条件を検討することが重要です。

マコーでは、お客様のワークを用いたサンプルテストを通じて、最適な表面処理方法をご提案しています。

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「ウェットブラストとはどのような表面処理なのか?」という方は、 原理や特徴、他工法との違いを解説した基礎コラムもあわせてご覧ください。

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第1回 ウェットブラストとは? 原理・特徴を基礎から解説


4.まとめ

AIやEVの普及によって電子デバイスの高性能化が進む中、セラミックス基板にはこれまで以上に高い品質と信頼性が求められています。

今後、電子デバイスのさらなる高性能化や微細化が進むにつれて、セラミックス基板に求められる品質もますます高まると考えられます。
それに伴い、表面処理には「除去する」だけでなく、「品質を維持する」という役割がより一層求められるでしょう。

表面処理方法にはさまざまな選択肢があり、最適な工法は対象物や要求品質によって異なります。
重要なのは、それぞれの加工条件に応じて適切な工法を選定し、品質と生産性の両立を図ることです。

マコーでは、セラミックス基板をはじめとする電子デバイス分野において、実ワークを用いたテスト加工を通じて、お客様の課題に応じた最適な表面処理方法をご提案しています。

「自社の基板にも適用できるだろうか」「現行工法と比較したい」といったご相談も歓迎しています。
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