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リードフレームの樹脂バリ除去とは? - 高密度化する半導体パッケージに求められる加工品質

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リードフレームの樹脂バリ除去とは? - 高密度化する半導体パッケージに求められる加工品質

生成AIや電気自動車(EV)の普及を背景に、半導体には高い処理性能だけでなく、高い信頼性や電力効率、放熱性能が求められています。

こうした半導体の高性能化・小型化・高密度化は、半導体チップだけでなく、チップを保護し、外部回路との接続や放熱などを担う「半導体パッケージ」や、その構成部品である「リードフレーム」の製造工程にも変化をもたらしています。

その中で、製造工程の一つとして重要になるのが、モールド(樹脂封止)後に行われる「樹脂バリ除去」です。
本コラムでは、半導体パッケージに使用されるリードフレームの役割から、樹脂バリが発生する理由、除去工程で求められる加工品質、ウェットブラストによる樹脂バリ除去について紹介します。




1.リードフレームとは? 

リードフレームは、半導体チップと外部回路を電気的に接続するための金属部品です。
しかし、その役割は電気的な接続だけではありません。パッケージの構造によっては、半導体チップから発生する熱の放散や、製品の機械的強度、基板への実装性などにも関係します。

QFNやQFPなどの半導体パッケージをはじめ、車載用パワーデバイスなど、高い信頼性が求められる用途では、リードフレームの加工品質や表面状態の管理が重要になります。
半導体パッケージの小型化・高密度化が進む中、リードフレームにもより安定した加工品質が求められています。


リードフレームの役割を理解したところで、次に注目したいのが製造工程で発生する「樹脂バリ」です。
では、樹脂バリはなぜ発生し、どのような影響を及ぼすのでしょうか?



2.リードフレームの樹脂バリはなぜ発生する?

半導体パッケージでは、半導体チップやワイヤなどを外部環境から保護するため、樹脂によるモールド(封止)が行われます。
このモールド工程では、金型の隙間などに封止樹脂が入り込むことで、リードフレーム上に不要な樹脂が発生する場合があります。

代表的なものとして、以下のような樹脂バリがあります。

  • ダムバリ
  • サイドバリ
  • フラッシュバリ

下の写真は、フラッシュバリの一例です。
フラッシュバリとは、モールド工程で金型の隙間などに樹脂が入り込み、リードフレームの金属部に薄くはみ出して固化してしまったものです。



これらの樹脂バリが残ったままになると、その後のめっき工程や実装工程などに影響する可能性があるため、適切に除去する必要があります。
従来から、樹脂バリの除去には電解処理、ウォータージェット、ケミカル処理など、さまざまな方法が用いられてきました。

しかし、半導体パッケージの小型化・高密度化が進むにつれて、樹脂バリ除去工程に求められる品質も変化しています。

では、樹脂バリを除去できれば、それだけで十分なのでしょうか?
実際の製造工程では、除去性能以外にもさまざまな品質が求められます。

3.「バリを取るだけ」ではない、樹脂バリ除去の課題

従来の樹脂バリ除去では、まず「バリを確実に除去できるか」が重要な評価項目でした。

もちろん、現在でも樹脂バリを確実に除去することは重要です。
しかし、それだけでは十分ではありません。

例えば、

  • リード部の表面を必要以上に粗らさない
  • リードとモールド樹脂の界面にダメージを与えない
  • 複雑な形状でも均一に処理する
  • 製品ごとの加工ばらつきを抑える
  • 連続処理でも安定した加工品質を維持する
  • 量産工程での自動化・省人化に対応する

など、複数の要求を同時に満たす必要があります。
つまり、現在のデフラッシュ工程では、単純に「バリを取れるか」だけではなく、「どのような表面状態でバリを除去できるか」という視点が重要になっています。

さらに量産工程では、加工品質の再現性や生産能力、メンテナンス性、前後工程との接続性なども考慮する必要があります。
樹脂バリ除去は一つの加工工程ですが、その品質は後工程や最終製品の品質、生産性にも関係します。

こうした複数の要求を満たすためには、単に強い力でバリを除去するのではなく、対象物へのダメージを抑えながら、安定した加工を行うことが重要です。
そこで注目されている表面処理技術の一つが、ウェットブラストです。

4.ウェットブラストによる樹脂バリ除去

こうしたリードフレームの樹脂バリ除去に利用されている表面処理技術の一つが、ウェットブラストです。
ウェットブラストは、水と微細な研磨材を混合したスラリーを圧縮空気によって高速で噴射し、対象物の表面を処理する技術です。



水とともに微細な研磨材を投射することで、加工対象となる樹脂バリの状態やリードフレームの材質・形状などに応じて、研磨材の種類や粒径、加工圧力、噴射条件などを調整できます。
これにより、樹脂バリを除去しながら、リード部やモールド樹脂との界面へのダメージを抑えることが可能です。

樹脂バリ除去前後の状態を動画でご紹介します。

ほかにもさまざまな加工事例を動画でご紹介しています。

ウェットブラストによる処理の様子や、処理前後の変化をご覧いただけます。

加工事例動画をもっと見てみる →


また、ウェットブラストは加工と同時に洗浄効果が得られることも特徴の一つです。
樹脂バリの除去だけを見るのではなく、「必要な部分を残しながら、不要な部分を取り除く」という加工条件の最適化が重要になります。

ウェットブラストによる樹脂バリ除去では、加工条件の最適化が重要です。
では、実際の量産工程では、どのように条件を決め、安定した加工品質を実現するのでしょうか?

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5.量産工程に適した樹脂バリ除去とは?

実際の製造工程では、リードフレームの材質や形状、樹脂の種類、バリの発生状態、要求される表面品質、生産能力などによって、適切な加工条件は異なります。
そのため、装置の仕様だけで判断するのではなく、実ワークを使用したテスト加工によって、

  • 樹脂バリの除去状態
  • リード部へのダメージ
  • モールド界面への影響
  • 処理の均一性
  • 加工時間や生産能力

などを確認することが重要です。
その結果をもとに、研磨材や噴射条件、ノズル配置、処理時間などを最適化し、量産工程に適した加工条件や装置構成を検討します。

リードフレームの樹脂バリ除去で求められるのは、単なる「除去力」ではありません。

必要なのは、対象物へのダメージを抑えながら、均一で安定した品質を実現し、量産工程へつなげられることです。

今後、半導体パッケージのさらなる小型化・高密度化が進む中では、樹脂バリ除去をはじめとする表面処理工程についても、製品品質や生産性を支える製造技術として考えることが重要になります。

リードフレームの樹脂バリ除去に関する導入事例をご紹介しています。

実際の加工ワークや処理内容など、リードフレームへのウェットブラスト活用事例をご覧いただけます。

導入事例を見てみる →


6.まとめ

半導体パッケージの小型化・高密度化が進む中、リードフレームの樹脂バリ除去にも、これまで以上に高い加工品質が求められています。
樹脂バリを確実に除去することはもちろん、リード部やモールド樹脂との界面へのダメージを抑えること、均一で安定した処理を実現すること、さらに量産工程での自動化や生産性まで考慮することが重要です。

ウェットブラストは、水と微細な研磨材を利用し、加工対象やバリの状態に応じて条件を調整することで、樹脂バリの除去と対象物へのダメージ抑制の両立を目指せる表面処理技術です。
マコーでは、半導体リードフレームをはじめとする電子デバイス分野において、ウェットブラストによる樹脂バリ除去技術を展開しています。

実ワークによるテスト加工を通じて、製品の材質・形状やバリの状態、要求品質に応じた加工条件を検討し、量産工程に適したウェットブラスト処理をご提案します。

「バリを取る」だけではなく、「どのような表面状態に仕上げるか」。

今後さらに高品質化・高密度化が進む半導体パッケージにおいて、樹脂バリ除去工程も製品品質や生産性を支える重要な製造工程の一つとなっていくでしょう。

リードフレームの樹脂バリ除去でお困りの方へ

リードフレームの材質や形状、樹脂やバリの状態、求める仕上がりによって、適した加工条件は異なります。
マコーでは、実ワークによるテスト加工を通じて、樹脂バリの除去状態や表面への影響を確認し、量産工程に適した加工条件をご提案します。

リードフレームのバリ取りについて相談してみる →

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✎著者情報

グローバルマーケティング部 佐田 俊彦


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