溶接後の焼け取り

材質を選ばず安全・高速。ウェットブラストによる“溶接後の焼け取り”
ウェットブラストは、溶接やレーザー加工、ワイヤーカットなどの焼けをキレイに高速に除去する、中~小型部品の焼け取りに適した処理工法です。
物理的な工法なので、アルミ・SUS・鉄など材質を選ばずにお使いいただけます。
溶接やレーザー加工、ワイヤーカットなどは、処理後に焼け(スケール)が発生し、外観の変化だけではなく、腐食などを引き起こす原因となります。通常、焼けは電解研磨、酸洗、ブラシなどによる研削などで取り除きますが、処理時間、安全性、仕上がりなどに課題があります。
溶接焼け取りのこんなことでお困りではありませんか?
● 処理時間(手作業…複雑な部位に時間がかかる/薬剤…反応時間がかかる)
● 安全性(酸洗…有機溶剤吸引の危険性がある/SUSの電解研磨…溶けだしたクロムより6価クロムが発生する危険がある)
● 仕上がり(酸洗…焼けの質によりムラが発生する場合がある/電解研磨…部品の形状により処理の効果が安定しない)
ウェットブラストによる焼け取りをお試しください!!
ウェットブラストを使ったステンレス部品の溶接焼け取り動画
SUS(ステンレス)板をT字に溶接した部品の溶接焼けをウェットブラストで除去しました。溶接焼けの部分をピンポイントで素早く除去出来ていることがわかります。処理後も乾式ブラストのような梨地でなく元の材料の質感と近い仕上がりとなっています。
ウェットブラストによる焼け取り

研磨材が焼けごと表面を極めて薄く削り取り、
クリーンな表面を形成します。
ウェットブラストは遊離砥粒を表面に吹き付けるブラスト処理の一種で、物理的に溶接焼けを表面を削り取って取り除きます。
一般的な乾式のブラストと異なり、水と研磨材を混ぜた液体を、圧縮エアで霧化して投射します。
研磨材の粒子サイズは一般的なブラスト粒子の1/2~1/3程度であり、この微細な研磨材が表面を薄皮一枚で削り、表面の焼けを削り取ります。
1秒間に噴射される粒子の数は何千万個にものぼり、この大量の粒子が表面に発生した焼けを細かく削り取っていきます。
ウェットブラストによる焼け取りの特長

強固な焼けも一瞬で除去
ウェットブラストは流量が多く、大量の微粒子が対象物に衝突して細かく表面を削り取ることで、強固な焼けも一瞬で取り除けます。

薬品を使わず環境にやさしい
ウェットブラストは薬品を使わない処理のため、有害な物質や廃棄物を出しません。湿式環境のため粉じんもほとんど発生せず、作業環境も良好です。

表面を傷めずに美しい仕上がり
パウダー状の微細な楕円形粒子を使用することで、サビ取り後は美しい金属地肌の半光沢表面になります。

複雑形状部品に最適
水と粒子が手の届きにくい隙間や溝にも入り込み、きれいに焼けを落とします。
金属の材質を選ばない
薬品とは違い粒子が表面を削り取るため、材質を問わずに焼け取りがおこなえます。
脱脂、洗浄が同時にできる
表面を研磨材が薄く削り取った後、水が洗い流すため、表面の油分やほこり、研磨材などのごみの残りがほとんどなくクリーンな状態となります。
焼け取り方法の比較
手作業 (ヤスリ、サンダーなど) |
酸洗い | 電解研磨 | ウェットブラスト | |
---|---|---|---|---|
安全性 | △ | × | × | ◎ |
加工時間 | 〇 | △ | △ | 〇 |
作業の簡単さ | 〇 | △ | × | ◎ |
導入の手軽さ | ◎ | 〇 | × | △ |
仕上がり | △ | △ | ◎ | 〇 |
大物ワーク対応 | 〇 | ◎ | 〇 | × |
複雑形状対応 | × | 〇 | △ | 〇 |
コスト | 〇 | ◎ | △ | △ |
焼け取りで使う研磨材

ジルブラスト
焼け取りで使う研磨材は、ジルコニアと呼ばれるセラミック製で細かいため、緻密な質感の表面を形成します。また、粒子の表面にこぶのような突起があるため、従来よく使われるグラスビーズに比べ、研削力が高く、仕上げと除去が同時にできる研磨材です。
B-120 | |
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形状 | 球 |
中心粒径 | 125μm-63μm |
硬度 | ロックウェル/50 - 65 |
比重 | 3.85 |
処理事例

ステンレスフロートの溶接焼け取り
表面の光沢度を失わせないように、ステンレス製のフロートの溶接焼け取りを行いました。

ステンレス部品の溶接焼け取り
表面にダメージを与えないように、ステンレス製部品の溶接焼け取りを行いました。
よくある質問
Q
焼け取りで表面はどれくらい削れますか?
Q
どのくらいの時間で焼けを取り除けますか?
Q
焼け取りの前に脱脂や汚れを取り除く必要がありますか?
Q
溶接だけではなく、レーザー加工やワイヤーカット後の焼けなども除去できますか?
Q
ステンレスだけではなく、鋼やアルミ、もしくは異種材料間の溶接で発生した焼けも落とせますか?
Q
除去後にシミや液だれなどは発生しませんか?
Q
焼け取り後には表面の質感は変わりますか?
ウェットブラストによる溶接焼け取りは、厳密に言うと汚れごと表面の薄皮一枚を取り除く加工になるため、表面には微細でも凹凸が付き、見た目や質感も変わります。