ウェットブラストとサンドブラストの比較

ウェットブラストとサンドブラスト、その違いは?
ウェットブラスト(湿式ブラスト)とサンドブラスト(乾式ブラスト、ドライブラスト)は、研磨材を衝突させて表面を加工する点で非常に近い工法です。しかし、主に洗浄力、研削力、粉じん発生などの点が大きく異なります。
ウェットブラストは、水を用いるため洗浄度が高く美しい質感に仕上がります。ですが加工力が比較的弱く、厚い塗装の剥離などは時間がかかります。
一方でサンドブラストは、比較的大きい研磨材を使うため加工力が高く、ウェットブラストよりもすばやく表面を加工できます。しかし脱脂などの効果が無く、仕上がりもつやのない質感となります。
![]() サンドブラスト |
![]() ウェットブラスト |
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粉じんの発生 |
粉じん作業に該当 室外に漏れ出て粉じん爆発のおそれもあるため、集塵機などが必要 |
粉じん作業にならない 粒子は水に混ざるため室外に飛び出し飛散することはない |
脱脂効果 |
なし 脱脂が必要な場合には、前処理として脱脂工程が必要 |
脱脂可能 さらに表面を瞬時に水膜が覆うため、油の再付着がない |
粒子の残渣 |
埋め込み残留が多い 粒子が粒子を打ち込む現象が発生する |
埋め込み残留が少ない 加工後の粒子は水によりすぐに洗い流される |
粒子サイズ |
直径50μm以上 微粒子は空気抵抗の影響で対象物まで到達しにくいため、粒子を大きくしたりノズル径を絞る必要がある |
直径50μm以下も使用可能 粒子は水と混ぜ合わせて投射されるため、空気抵抗の影響が少なく、微粒子も大量に投射可能 |
加工力 |
ウェットブラストに比べ強い 室外に漏れ出て粉じん爆発のおそれもあるため、集塵機などが必要 |
サンドブラストに比べ弱い 処理エア圧0.2~0.4MPa程度 |
加工粒子量 |
ウェットブラストに比べ少ない 空気抵抗により細かい粒子が表面まで届かないため、粒子個数が少ない |
サンドブラストに比べ多い 水に混ぜて投射されるため、大量の粒子が高い密度で投射される |
処理ムラ |
ムラがでやすい 投射がまばらで加工力が強いため、隙間のある加工痕ができやすい |
ムラがぼかしやすい 投射が高密度で加工力が低いため、きめ細かい処理がしやすい |
エア消費量 |
ウェットブラストに比べ少ない |
サンドブラストに比べ多い 350L~670L毎分程度必要(ココットの場合) |
静電気 |
静電気を帯びる 摩擦により、対象物表面に静電気が発生 |
静電気を帯びない 電気は水に逃げるため、静電気が発生しない |
熱の発生 |
対象物に熱が発生 粒子がこする摩擦により、対象物は熱を持つ |
対象物に熱を持たない 水で常に冷却されるため、対象物は常温のまま |