入門:ウェットブラストのシステム構成 (4) - 安定加工を実現するノウハウの塊 ‐
ウェットブラストは、「水」と「投射材」を混合したスラリーを用いて表面処理を行う工法です。一見シンプルな仕組みに見えますが、「なぜこの工法は安定した加工品質を実現できるのか?」――
その答えは、装置内部に隠されたスラリーの循環システムにあります。今回は、そのシステム構成を各ユニットの役割とともに紐解きながら、当社が、43年間にわたって積み上げてきたノウハウの核心に迫っていこうと思います。
安定加工を支える「循環システム」とは?
1.スラリーを循環利用するウェットブラストシステム
ウェットブラスト装置の内部では、次のような流れが繰り返されています。
- ① ブラストタンクに貯めたスラリーをブラストポンプで圧送
- ② ブラストガンで圧縮エアにより加速・投射
- ③ ブラスト加工後のスラリーはブラストタンクへ戻る
- ④ タンクへ戻ったスラリーを再利用
図:ウェットブラスト回路図
それでは次に、この循環システムを構成する各ユニットの役割を順に見ていきましょう。
各ユニットは、どのような役割を担っているのでしょうか?
2.各ユニットの役割
2) ブラストポンプ
ブラストポンプは、スラリーを吸い込み、 ガンやサイクロンへ
圧送する役割を担います。
スラリーは「水+投射材」という二相流体であるため、 二相流の安定した流量供給と ポンプ自体の耐摩耗性が システム全体の信頼性を左右します。
4) サイクロン
サイクロンは、再利用可能な投射材と、 摩滅して微粉となった
投射材や加工対象物の削れカス(スラッジ)を 分級分離する重要な役割を有します。
この分級工程があることで、 スラリー中の投射材の粒度分布が保たれます。
3.なぜ「システム全体」で考える必要があるのか
ここまでウェットブラストは、前述したシステム全体のバランスによって、初めて安定した加工品質を実現可能であると説明してきました。
例えば、ブラストガンの性能だけを高めても、供給されるスラリーの粒度や濃度が安定していなければ、加工品質はばらついてしまいます。
また、サイクロンによる分級性能が不十分であれば、摩耗した投射材やスラッジが蓄積し、加工状態に影響を及ぼします。
このように、ウェットブラストでは各ユニットが独立して機能しているのではなく、相互に連携しながらシステム全体として品質を支えています。
なにげない要素の組合せに見えるかもしれませんが、そこには43年間積み上げてきたノウハウが詰め込まれているのです。
4.まとめ
今回は、ウェットブラストを支えるシステム構成について解説しました。
加工品質は、ブラストガン単体で決まるものではなく、スラリーの循環・分級・再利用を含めたシステム全体のバランスによって成り立っています。
投射材濃度の安定化、粒度分布の維持、摩耗した投射材やスラッジの分離――。
こうした一つひとつの積み重ねが、安定加工を支えています。
マコーでは、43年間にわたり蓄積してきたウェットブラストのノウハウをもとに、今後もより高品質な表面処理技術を提供してまいります。
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