入門:ウェットブラストとは ― (1)原理・特長・できること―
1.ウェットブラストとは?
ウェットブラストとは、水と混ぜた投射材(メディア)を圧縮空気や機械的な羽根車の遠心力を用いて高速に投射し、被加工材表面に衝突させる表面処理工法の一つです。投射材単体ではなく水と混ぜて扱うという点で、乾式ブラストとは異なります。
2.ウェットブラストの特長
①ブラスト加工の選択幅が大きい
- 選択できる投射材の種類・粒度が豊富。
- 投射材が水と混合した状態で投射されるため、乾式に比べて空気抵抗による速度エネルギーの損失が少なく、微細投射材(サブミクロン〜数µmレベル)であっても被加工材に衝突させることができます。
②洗浄効果が高い
- 被加工材表面はブラスト後、直ちにスラリーに覆われます。水膜を介して表面に投射材や除去された物質が載るため、これらは次工程のリンスで容易に洗い流すことができます。
- 被加工材に油脂が付着している場合はスラリーに脱脂剤を、錆が生じやすい素材の場合は防錆剤をそれぞれ投入することで、洗浄効果を補助できます。
③人・環境にやさしい
- 衝突後のスラリーの飛沫は凝縮して水滴となるため大気中で沈下しやすく、粉塵爆発の懸念回避や衛生的な作業環境を保つことができます。
3.ウェットブラストでできる主な処理
- 微細粗化(投射材のサイズと加工条件により、粗化レベルは制御できる)【導入実績:樹脂表面の濡れ性向上、AG前微細粗化、樹脂フィルムの表面改質】
- 酸化膜・スケール除去【導入実績:WLS(酸化被膜除去+潤滑処理)、線材・鋼材の酸化被膜除去、】
- 脱脂・洗浄【導入実績:SRの現像残渣除去、メンテンナンス部品洗浄】
- バリ取り【導入実績:半導体デフラッシュ、樹脂成型品バリ取り】
- 表面の均一化・質感調整・表面仕上げ【導入実績:ガラス変質層・加工目除去】
次回は、他工法との比較、さらに主な処理について個別に掘り下げていく予定です。
以上
また、ウェットブラストの原理やシステムについての資料は、以下のリンクよりダウンロードが可能です。


