接着前処理としての洗浄

接着における被着材表面の異物除去(=洗浄)について解説いたします。

接着を阻害する要因

接着を阻害する原因として、「汚れ」「脆弱層」があります。 汚れが被着材と接着剤の間に入り込むと、密着を阻害したり、汚れや接着剤の中の水分が空隙を発生させ、接着力が低下します。
また、被着材表面に、金属のサビなど脆弱層があると、表面と接着剤間では強固に接着されていても脆弱層ごと母材からはがれやすいため、結果として接着力は下がります。

接着が阻害されている状態の模式図
接着が阻害されている状態の模式図

洗浄――接着力低下の予防

表面の汚れや脆弱層を取り除くことで、接着力低下が予防されます。
被着材や汚れの状態によってさまざまな方法がありますが、おもに「ゴミ・油分・塗料・離型剤」は溶剤をしみこませた布ぶきなど、「酸化膜(サビ)」はワイヤーブラシや酸などで除去します。

洗浄の判定方法

表面の洗浄度合いの評価は目視や綿棒でふき取り付着した汚れ量を計測するといった手法があり、XPSやTOF-SIMSなどによる詳細な分析も行われます。簡便な評価方法としては濡れ性の試験があります。

ウェットブラストによる洗浄

水と研磨材が表面に衝突するエネルギーを利用し、汚れ・異物を洗浄対象物の最表層ごと削り取ります。粒子のサイズや形状により、洗浄力を選択でき、乾式ブラストに比べ、表面を大きく粗さず、歪み、反りなどのダメージを抑えます。

ウェットブラスト洗浄の模式図

ウェットブラスト洗浄の特長

  1. 重度のものから精密分野まで対応できる(汚れの種類を選ばない)
  2. 高速洗浄でかつ複雑表面形状に対応できる(自動化しやすい)
  3. 地球環境、作業環境にやさしい(薬品不使用・粉塵防止等)
  4. 洗浄と同時に表面形状の創成が可能(複合同時加工)