ウェットブラストの用途
ウェットブラストは、主に、以下のような用途で利用されます。
洗浄
投射された研磨材が表面にある異物を取り除くと同時に、水が表面を洗い流すことで対象物を洗浄できます。
実際には、研磨材が表面の薄皮一枚を異物ごとサブミクロンレベルで削り取ることで、付着した異物の材質を問わずに除去しています。研磨材を選択することで軽度から重度までの洗浄をおこなえます。
粗化
表面の密着性向上などを目的として、表面に微細な凹凸をつけ、梨地(すりガラス表面のような状態)を作ることができます。
作成できる表面の山谷は、研磨材を変更することで20ミクロン程度からサブミクロンまで形成可能です。
バリ取り
遊離砥粒加工のウェットブラストは、研磨材の質量のみを利用して加工できるため、研磨材が固定されている砥石やベルト研磨などの固定砥粒加工とは違い、スクラッチキズ(ひっかいたようなキズ)や打痕などが発生しません。
この特性を利用して、処理対象物を傷つけずにバリ(材料を切ったり、削ったりした時にできる突起、もしくは型を使って成形したときに、合わせ目にできる余分な突起)を除去できます。
剥離
下地の材質と表面についた材質の硬さなど特性の違いを利用して、表面の材質のみを削り取ることができます。
製造工程中の不良再生やメンテナンスなどで使われます。
エッチング
通常エッチング(etching)とは、薬品などを使用し化学的に表面の削り込みをおこなうことを言いますが、ウェットブラストによるエッチングは、薬品耐性の高いガラスやセラミックスなどの材料や複合材料などで、薬品を使用できないものに対して、削り込みがおこなえます。
美装
表面に微細な凹凸をつけることにより、サテン仕上げ(滑らかな光沢を持つ仕上げ)、ダル仕上げ(やや光沢のある仕上げ)などの材料表面への装飾を目的とした加工がおこなえます。