ウェットブラストの注意点
以下は、ウェットブラストの運用に当たり、留意する必要がある注意点です。
コンプレッサーが必要
ウェットブラストでは、スラリーを加速するために圧縮エアを用いますが、そのために、空気を圧縮する装置、コンプレッサーが別途必須となります。複数のノズルを装着する装置の場合には、さらに圧縮空気の供給量が必要となります。これに応じて、出力の大きなコンプレッサーの準備が必要となります。
排気が必要
装置の処理室内の圧縮エアは、次第に膨張し、加圧状態になります。そのため、排風機を使い、積極的に装置外に排気する必要があります。マコーのウェットブラストシステムでは、この対策として、遠心分離構造を兼ねた排風サイクロンを独自開発して採用しています。
水洗が必要
ウェットブラスト処理後に、対象の表面は液体で覆われますが、液体中には、研磨材や有機物、酸化物が残存しています。そのため、必ず水洗を行う必要があります。
スラッジが発生する
研磨材は、被加工物の表面に衝突する結果、徐々に自ら破砕していきます。この破砕した研磨材や削られたワークの粉(スラッジ)を回収し、研磨材を追加補給しなければなりません。
バッファに注意
バッファとは、一言でいえば水溜まりです。液体を用いるために起こるデメリットと言えます。
下の図のように、被加工物が袋小路のような形状の場合、液体は、一時的に池の様に溜まってしまいます。そこに向かって投射を行うと、溜まった液体のためにエネルギーが減衰され、本来の処理効果が出せません。回避するためには、被加工物の姿勢や、投射ノズルの角度、処理の方向を検討する必要があります。