基板のめっき前洗浄
加工内容
- 洗う
- 粗す
脱脂・洗浄と同時に、
めっき接着に最適な表面を生成します。
ウェットブラストは、基板表面の脱脂・洗浄と下地加工を同時におこない、めっきに最適な表面を生成できます。
ウェットブラストによる基盤のめっき前処理
プリント配線板(PWB)やプリント回路板(PCB)製造時に、ソルダーレジスト(SR)上の残渣や、コンタミなどの異物を除去・洗浄します。
同時に、金めっきの密着力を高めて剥離を防ぎ、接着不良を低減します。
処理対象
- プリント配線板(PWB)
- プリント回路板(PCB)
- フィルム
- 箔
処理のポイント
基板表面の脱脂・洗浄と下地加工を同時におこない、めっきに最適な表面を生成できます。
従来工法の問題点
- 表面に付着した異物の材質が不明のため、酸洗や有機溶剤などのケミカルエッチングでは除去しにくい
- 薬品使用時、段差などにより、隅々まで洗浄することが難しく処理ムラが発生する
- 物理処理による洗浄の際、接触によって配線に傷が発生する
- 複合材の洗浄が難しい
処理プロセス
STEP
01
ソルダーレジスト(SR)形成・焼成
STEP
02
ウェットブラスト洗浄
STEP
03
Ni-Auめっき
STEP
04
外形加工
STEP
05
次工程
ウェットブラスト処理の特徴
- 数μmレベルの薄い樹脂フィルムでも変形・破れ・変質等がありません
- 電導性に影響しないナノアンカーが形成できます
- 難接着材料と呼ばれるスーパーエンプラの密着性向上にも効果があります
(スーパーエンプラ例:PPS、PEEK、PI、LCP等) - ケミカルを使用しない物理加工のため、材料を選ばす異物除去が行えます
- 時間依存性がありません
ウェットブラスト洗浄のイメージ
粒子と水が汚れごと薄皮一枚剥ぎ取る強力な物理洗浄により、SR残渣やLTCCのめっき阻害層を除去できます。
また表面には、無方向性の微細な凹凸が形成され、めっきに最適な密着性の高い下地が形成されます。
幅広ガンによる均一処理
従来のガン
幅広ガン(当社特許技術)
当社オリジナル特許技術となる幅広ガンは、ノズル断面がスリット状で、投射面全面にわたって加工力が均一です。
上の図のように、従来のガンでは、研磨材の痕の数が投射面の中心から離れるに従い減少していきますが、幅広ガンでは、研磨材の痕の数は中心も端面もほぼ等しくなります。この特殊なガンのもたらす高い均一性により、幅のあるワークの処理面全面の、ムラのない加工が可能となります。
SR残渣の除去洗浄例
処理前
ウェットブラスト処理後
粗化されたSR表面は、アンダーフィルやプリフラックスの濡れ性を改善します。
基板表面のランド部に付着したソルダーレジスト(SR)の残渣物や、回路表面に発生した酸化被膜をウェットブラストにて薄く削り、取り除きます。
ウェットブラスト処理部には、微細な凹凸が作られるため、濡れ性が高まり密着性が向上します。
装置例
ワークサイズや処理内容に合わせて、以下の装置をご提案します。
しかし本来、当社の装置は、用途と条件を御社工程に最適化する、自由設計が基本となります。全てのお客様に、最適な仕様をご提供するのが当社の基本方針です。
まずはワークの素材やサイズ、処理目的、設備条件などをご相談ください。当社専門担当がご対応させていただきます。
大判板状ワーク向け装置
- 自動機
幅600mm以下の短冊状、板状ワークを、幅広ガンで均一に同時処理する装置です。主にプリント基板等の処理に向いています。対象ワークサイズの異なるローコスト版装置は、miniPFE100/200です。
板状ワーク向け装置
- 半自動機
630mmの大型幅広ガンを搭載した、半自動加工セルです。めっきやレジストの密着強度向上を目的とした基板表面の粗化や、レーザービア加工後のデスミア処理、レジスト除去等のための洗浄に最適です。
X軸付加工セル
- 半自動機
1軸駆動する幅広ガンで600×300mmの面積を均一に処理できる、多品種少量生産に最適な加工セル装置です。ティーチングペンダントで、ガンの作動位置や速度、ブラスト投射のON、OFFをプログラミング可能です。