新技術開発のお知らせ｜WSB

開発の背景

自動車部品に使用される鋼材表面に付着した酸化膜は、現在、酸やアルカリなどの薬品を使い取り除いていますが、中でもステンレス鋼や特殊鋼は耐薬品性が高く、薬品処理では酸化膜の除去に膨大な処理時間と熱エネルギーを要しています。
この膜は、当社の「ウェットブラスト」によって表層から削り込むことで精度よく除去可能でしたが、この技術には大量の圧縮エアを作り出すための大型コンプレッサの設置が必要であり、エネルギーコストが高いことが課題でした。
高いエネルギーコストとコンプレッサを含んだ広い設置スペースが必要という、ウェットブラスト工法が有する課題をクリアするため、新工法を開発いたしました。

装置について

WSB（ウェットショットブラスト）工法を利用し、焼きなまし後の棒鋼材表面に付着した酸化スケールを除去する装置を開発中です。上下左右にインペラを装備し、コンプレッサレスにも関わらず、強固に付着したスケールを表面を荒らさずに除去できます。水洗・水切りも装置内に内蔵しており、ワーク投入から排出までがインラインで行えます。

特長

WSBの原理

ウェットブラストは、研磨材と水を圧縮エアにより噴射しますが、WSB（ウェットショットブラスト）は水と研磨材を高速回転するインペラーにより加速させ対象物に投射し洗浄や加工を行う工法です。
インペラーを利用することで、広範囲にむらなく粒子を投射することができ、ハイボリュームによる処理の高速化が可能になります。
加工原理と特長はウェットブラストと同様で、洗浄、粉塵レス、静電気レス、加工熱レスであると同時に、数μmという微細な粒子を使った高精細処理も可能です。

今後の展開

インペラを使った処理ムラの無い広範囲の投射と、ハイボリュームでの高速処理により、大面積・低コスト処理を要求される用途に利用可能です。さらに、電源さえあれば装置が稼働するため、設置が簡単で設備導入の負荷も低下します。SDGsに適合したシステムとしてWSBを世界に広げていきたいと考えております。

日刊工業新聞記事掲載のご案内

記載の内容に関しましては、1/21日付けの日刊工業新聞社様発行の日刊工業新聞に記事が掲載されており、日刊工業新聞電子版にてご覧頂けます。以下にリンクを掲載いたしますので、ご興味をお持ちの方は以下のサイトをご覧下さい。（記事の閲覧には会員登録が必要となります。詳しくは日刊工業新聞社様のサイトをご覧下さい）

関連ページ

下記ページにて、動画によるWSBの紹介をご覧いただけます。